【わかんりゅうがきず】
【鈴木鵞湖 作】
【絹本着色 二幅】
【江戸時代後期】
中国や日本の画家の画題・筆様に倣った図様を集成する 「流書図」 と呼ばれる形式の作。
対幅の形で、右幅に宋・元代を中心とする中国の画家を、左幅に雪舟(せっしゅう)や狩野元信(かの
うもとのぶ)など室町以降の日本の絵師の図を網羅している。
署名はありませんが、各図中に原図筆者名と共に捺される「琳摹古」の印から、酷似する印章を持つ江戸後期の絵師、鈴木鵞湖(すずきがこ/1816年~1870年)の作と見られる。
和漢の古画を網羅する流書図は、絵画の流れや各画家の画風を学ぶ資料としての側面もあり、本作は詩画を学ぶ志があったと伝わる日比谷健次郎の依頼で制作されたものと推測されている。
依頼者の嗜好を反映してか、水墨画の流れを通覧することが意図されていると考えられますが、後方に俵屋宗達を配するなど、絵師の選定に特色が見られる。

【右幅収録画家】
上右:荊浩「観瀑山水図」
上中上:李龍眠「魚籃観音図」
上中下:李迪「狗子図」
上左:高克泰「山水図」
中右:日観「葡萄図」
中左:馬遠「舟行図」
下右:陳子和「騎鹿高士図」
下左:戴進「禹王治水図」
最下中:陳嘉言「花卉に蝶図」
最下左:上官周「釣人図」

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